バレエで膝を「入れる」に潜む危険!ピラティスで膝トラブルを未然に防ぐ方法

バレエを習っていると先生から「膝を入れて」「膝を伸ばして」という注意を耳にした方も多いでしょう。


「膝を入れる」「膝を伸ばす」とは美しい脚のラインを作るための重要な要素です!

しかし使い方を誤ると膝に大きな負担をかけてしまい怪我につながるリスクがあります。

本記事では、「膝を入れる」とは具体的にどのような状態なのか、そのリスクと正しいケア方法について解説します。

目次

過去の私の場合

7歳からバレエを始めた私は、しなるように伸びた膝に憧れていました。関節が柔らかかった私は、もっと膝を伸ばそうとよくストレッチをしていました。

初めてピラティスレッスンを受けたときに先生から「膝が伸びすぎている」と言われてビックリしたのを覚えています。

バレエの世界では当たり前だった私の膝は「過伸展」や「反張膝」と言われ解剖学的には良くない状態だったのです。
幸い膝の痛みはなかったものの、ふくらはぎや太ももは常にパンパンに張っていました。

ピラティスレッスンを続けているうちにムキムキだった脚も治まってきて、以前よりも股関節の可動域が大きくなって来ました。

そして、ルルベやアラベスク、ジャンプで以前より膝が伸ばせるようになったのです。

はじめに:バレエで「膝を入れる」とは?

バレエにおける「膝を入れる」「膝を伸ばす」とは

  • 膝関節を内側へ寄せる
  • 膝関節を反らせる(過伸展)
バレエで膝を入れる
過伸展(膝を入れる)

「膝が入る」とは膝が通常より反ってしまうことです。

「反張膝」「膝の過伸展」とも言われます。

バレエで膝を入れる
膝の状態(通常)

通常の膝の状態は、上の写真のように膝もかかとも床につく状態です。


例えば、つま先を外に向けたターンアウトポジションを維持しようとする際に、膝が内側に入りすぎる場合や、脚をまっすぐ伸ばす際に関節が反りすぎてしまうケースがこれに該当します。

バレエでは当たり前の「膝を入れる」ことは、本来の関節の動きを超えているので、次のようなリスクが生じます。

  • 関節や靭帯への負担
  • 反張膝の進行
  • 怪我のリスク

成長期のお子さんや、大人になってからも踊り続けるためにも膝のケガをは防ぎたいです!

「膝を入れる」に潜む膝トラブルのリスク

バレエの練習で「膝を入れて」「膝を伸ばして」と指導されていませんか?

一見すると美しいラインを保つための動きに思えますが、この癖が膝に重大な負担をかけ、怪我やトラブルの原因となることもあります。

「膝を入れる」動作がバレエで重要とされる理由は、美しい脚のラインやターンアウトを強調するためです。

しかし、必要以上に膝を内側に寄せたり過度に伸ばす癖がつくと、膝関節や周囲の筋肉に大きな負担をかけることになります。

その結果、以下のようなトラブルが発生する可能性があります

膝関節の不安定化

膝を内側に入れることで、関節の安定性が低下します。

特にターンアウトの際に足裏全体で支えられない場合、膝が内側にねじれた状態となり、靭帯や軟骨への負担が増加します。

反張膝の進行

「膝を入れる」動作を繰り返すことで、反張膝がさらに悪化する可能性があります。

膝が過伸展しすぎると、関節が正しい位置を保てなくなり、歩行や踊りの際の衝撃吸収機能が失われます。

膝周辺の筋肉のアンバランス

太ももの前側がパンパンに張ったり、逆に太ももの後ろ側の筋力が弱化したりして膝を支える筋肉のバランスが悪くなってしまいます。

このバランスの乱れが膝の痛みや疲労を引き起こします。

怪我のリスク増加

不安定な膝でジャンプやターンを繰り返すと、半月板損傷や靭帯損傷、腱炎など、深刻な怪我につながるリスクが高まります。



これらのリスクを軽減するためには、膝だけでなく体全体のバランスと筋力を見直すことが重要です。
特に、膝を保護する筋肉の強化や体幹の安定性を養うトレーニングが効果的です。

「膝を入れる」によるトラブルを未然に防ぎ、安全で美しいバレエを目指しましょう!

膝トラブルを防ぐピラティスの役割

膝にかかる負担を軽減し、美しいバレエを続けるために重要なことは、身体全体のバランスを整えることです。

ピラティスは、膝周辺の筋肉を効果的に鍛えるだけでなく、体幹や柔軟性を高めることで膝トラブルを未然に防ぐのに役立ちます。

体幹の安定性を高める

膝の負担を軽減するには、体幹の安定性が欠かせません。

ピラティスは骨盤や背骨を正しい位置に整え、動きの中心である体幹を強化します。これにより、バレエの動作中に膝が内側に入ったり、過度に伸びたりするのを防ぐことができます。

正しい筋肉を活性化する

膝をサポートするためには、以下の筋肉をバランスよく鍛えることが重要です!

  • ハムストリングス(太ももの裏側):膝の過伸展を防ぎ、動きをコントロールできる
  • 内転筋(太ももの内側):ターンアウトや膝が安定する
  • 大臀筋(お尻の筋肉):脚全体を正しい位置に保つサーポートになる

ピラティスの動きは、これらの筋肉を正しく活性化し、膝への負担を最小限に抑える効果があります。

柔軟性と筋力のバランスを整える

柔軟性が欠けると膝に余計な負担がかかります。一方で筋力が偏ると、膝関節が正しく機能しなくなります。

ピラティスではストレッチと筋力トレーニングを組み合わせることで、柔軟性と筋力のバランスを整えます。これにより膝の動きをスムーズにし、怪我のリスクを低減します。

全身の連動性を向上させる

バレエの動きでは、膝だけでなく全身が連動して動くことが求められます。

ピラティスのトレーニングでは、脚・体幹・腕が一体となる動きを練習します。これにより、バレエの動作中に膝が孤立して過剰に負担を受けることを防ぎます。

ピラティスは、膝トラブルを防ぐために欠かせないトレーニング法です。

体幹の安定性を高め、筋力と柔軟性のバランスを整え、全身を連動させることで、膝への負担を軽減します。これにより、バレエの美しいパフォーマンスを安心して続けることが可能になります。

まとめ:安全で美しいバレエを踊るために

バレエのレッスンでよく言われる「膝を入れる」とはどういうことか?

「膝を入れる」ことで起こる膝のトラブルについて解説していきました。


成長期のお子さんはもちろん、大人になってからダンスを始めたいう方はケガを予防することがとても大切になります。

大好きなダンスを長く楽しく続けていただくためにもお身体のケアも大切にしていただきたいと思います。

安心して美しいバレエを踊り続けましょう!

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